皮膚科
湿疹
Eczema
湿疹(皮膚炎)とは、皮膚が炎症を起こし様々な変化のことを指します。乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で発症し、皮膚疾患の中では最もポピュラーな病気です。
(種類)
・接触性皮膚炎
Contact dermatitis
アレルギー反応の一種で、アレルゲンとなる物質が皮膚に触れることで生じます。アレルゲンには多くのものがあり、植物や昆虫が放出する物質や、金属、洗剤に含まれる化学物質などがあります。
・アトピー性皮膚炎
Atopic
アトピー性皮膚炎の発症は環境的な要因と遺伝による発症のしやすさが大きく関わっています。
・脂漏脂漏性皮膚炎
Seborrheic dermatitis
皮脂の分泌が多い頭皮や顔、わきの下などに起こりやすい湿疹です。
・ビタール苔癬
Lichen palate
中高年の女性の首の後ろや陰部、わきの下などにでき、 かゆみが強く、湿疹部分の皮膚が厚くなるのが特徴です。 衣類による摩擦や金属アレルギーが原因であると考えられています。
(症状)
かゆみを伴う小さなふくらみを持った赤いぶつぶつした皮疹が生じます。その皮疹が水膨れのようになって水疱ができて細菌感染を起こし、うみを排出することもあります。強いかゆみを伴う場合には掻きむしることで皮膚が傷つき、そこに細菌や真菌感染が生じて、痛みや発熱を引き起こすこともあります。
(検査・診断)
診断は視診と、発症した状況や誘因、症状などの問診の情報から総合的に行います。アレルゲンが原因と疑われる場合には、アレルギー検査を行います。
(治療)
基本的にはステロイド薬を使用します。軽度な湿疹であれば、ステロイド薬の塗り薬で症状は改善します。また、細菌や真菌感染を起こしてる場合は抗菌薬や抗真菌薬の塗り薬、飲み薬を必要に応じて使用します。
水虫(足白癬)
Athlete's foot
みずむし(足白癬)の3分の2は、人の皮膚の角質を栄養として生きるカビ(真菌)の感染症です。白癬菌は足のほかにも、体、頭などさまざまな部位の皮膚に感染します。手足の爪にも入り込んで感染することがあり、この場合は爪水虫(爪白癬)と呼ばれます。
(原因)
・同居人が白癬菌を散布している
・プール、風呂場の脱衣所を裸足で歩く
・猫などペットと密に触れる
・足の指が太く、足指同士が接触しやすい
・汗をかきやすく、靴の中の湿度が高いなど
(症状)
足の指の間の皮がむけ、ときには皮膚が湿ってジュクジュクすることがあります。あるいは、足の裏の皮膚の角質がむけたり、厚くなってごわごわした感じになったりします。強いかゆみを伴うことがあります。
(検査・診断)
足白癬の可能性がある場合、顕微鏡検査を行います。皮膚の表面のはがれ落ちそうな角質(鱗屑りんせつ)をピンセットなどで採取し、顕微鏡で観察し診断します。
(治療)
カビの増殖を抑える外用薬(抗真菌薬)での治療が基本になります。抗真菌薬はクリームや軟膏、液剤など皮膚の状態によって選択します。足白癬の場合、症状がない部分も含めて指の間や足の裏全体に薬を塗布します。
(予防)
・裸足で歩いた後は足の裏を洗う
・乾いたタオルで拭う
・乾燥
・通気性がよい靴や靴下を選ぶなど
虫刺され(虫刺症)
Insect bite
虫刺されは、蚊やノミなどに刺されることで生じる身近な皮膚病です。“虫刺症”と呼称される場合もあります。刺咬性節足動物(ハチ・クモ・ムカデなど)によるものと、吸血性節足動物(蚊・ノミ・ダニなど)によるものがあります。
(症状)
・症状は虫の種類によって異なります。一般的に、アレルギー体質の人は症状が強く出るといわれ共通してかゆみや赤みを伴う腫れがみられます。赤ちゃんの虫刺されは、大人と比べて腫れが大きくなりやすいことが特徴です。
(検査・診断)
特に検査は必要ありません。まれに他の病気と区別するために血液検査や皮膚生検(皮膚を採取して調べる検査)などを行う場合があります。
(治療)
虫刺されは症状の軽いアレルギー性反応のため、自然に治癒します。かゆみが強い場合には、副腎皮質ステロイド外用薬などが使用します。患部に腫れや水疱が認められる炎症反応が強い場合や、強いかゆみがある場合には、かゆみ止めの作用がある抗ヒスタミン薬や短期間のステロイド内服を併用することがあります。
虫よけスプレーなどを上手に使いましょうね!!!