予防接種
大人の感染症予防
Infectious disease prevention in adults
大人がかかると危険な感染症。症状や特性を知って注意しましょう。ワクチンで予防できる疾患についてご紹介します。
《自費予防接種》 | ||
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ワクチン名 | 料金 | 単価(税) |
麻しん風しん混合 | 11,000 | 10,000(1,000) |
麻しん(はしか) | 6,600 | 6,000(600) |
風しん(三日はしか) | 6,600 | 6,000(600) |
おたふくかぜ | 5,500 | 5,000(500) |
水痘(水ぼうそう)(ビゲン) | 9,350 | 8,500(850) |
水痘(水ぼうそう)(シングリックス) | 24,750 | 22,500(2,250) |
肺炎球菌(ニューモバックス) | 9,350 | 8,500(850) |
B型肝炎(ビームゲン) | 5,500 | 5,000(500) |
麻しん(はしか)
Measles
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる感染症です。妊婦が感染すると死産・流産の原因になることもあります。
(主な症状・経過)
- ・10日程度の潜伏期のうち、発熱や咳などの症状で発症します。38℃前後の発熱が数日続き倦怠感や咳、鼻水、くしゃみ、結膜炎症状も現れます。一旦熱は下がりますが再び高熱が出るとともに、発疹が出現します。発疹出現後に続いた発熱は3~4日間で解熱し7~9日で回復へ向かいます。
- ・合併した別の細菌やウイルス等による感染症が重症化する可能性もあります。
特徴
原因となる病原体 | 麻しんウイルス |
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感染経路 | 空気感染、飛沫感染、接触感染 |
感染力 | 極めて強い |
合併症 | 肺炎、中耳炎、咽頭炎(クループ)、脳炎などを合併することもまれではありません。脳炎や肺炎を合併すると生命の危険や後遺症の恐れもあります。 |
風しん(三日はしか)
Rubella
風しんは、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症で、症状は不顕性感染から重篤な合併症併発まで幅広く、症状のみで風しんと診断することは困難な疾患です。
特に免疫がない妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、出生時が先天性風しん症候群(CRS)(感音性難聴、先天性白内障または緑内障、先天性心疾患など)を発症する可能性があります。
(主な症状・経過)
- ・感染から14~21日(平均16~18日)の潜伏期間の後、発熱、発疹リンパ節腫脹が出現しますが、発熱は風しん疾患の約半数にみられる程度です
- ・発疹は淡紅色で、小さく、皮膚面よりやや隆起しており、全体に広がるにはさらに数日間を要することがあります。
- ・風しん患者の多くは軽症ですが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病を合併することがあります。
特徴
原因となる病原体 | 風しんウイルス |
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感染経路 | 飛沫感染、接触感染、母子感染(胎内感染) |
かかりやすい年齢 | 2013年の報告患者では、男性が女性の3.5倍男性は20~40代に多く、女性は20代に多い。 |
感染力 | 麻しん(はしか)や水痘(水ぼうそう)ほど強くはありません |
合併症 | 肺炎、血小板減少性紫斑病 |
水痘(水ぼうそう)
Chicken pox
水痘、帯状疱疹ウイルスは、ヘルペスウイルスのひとつで、初感染時に水痘を引き起こします。水疱は小児期での発症が多く予後良好な発熱発疹性疾患で、感染力が極めて強いのが特徴です。
(主な症状・経過)
- ・潜伏期は2週間程度(10~21日)ですが、免疫不全患者ではより長くなることがあり、成人では発疹出現前に1~2日の発熱と全身倦怠感を伴うことがあります。
- ・発疹は全身性で搔痒を伴い、水疱となり痂皮化します。数日にわたり新しい発疹が次々と出現し鼻咽頭、気道、腟などの粘膜にも出現する場合があります。
特徴
原因となる病原体 | 水痘帯状疱疹ウイルス |
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感染経路 | 空気感染、飛沫感染、接触感染、母子感染(胎内感染) |
かかりやすい年齢 | 季節的には毎年12~7月に多く、8~11月には減少しており、罹患年齢はほとんどが9歳以下である |
感染力 | 家庭内接触での発症率:90% |
合併症 | 皮膚の二次性細菌感染、脱水、肺炎(ウイルス性・細菌性)、中枢神経合併症(無菌性髄膜炎、脳炎) |
帯状疱疹
Herpes zoster
・水痘・帯状疱疹ウイルスは初感染時に水痘を引き起こします。水痘の治癒後、水痘・帯状疱疹ウイルスは神経節に潜んで免疫が低下すると再活性化し帯状疱疹を引き起こします。加齢・ストレス・疲労は、帯状疱疹の発症リスクが高くなります。
・帯状疱疹予防ワクチンは、帯状疱疹の発症率を低減させ、重症化を予防します。
(主な症状・経過)
- 水痘に罹患後、主として脊髄後根神経節(三叉神経節を含む知覚神経節)に潜伏感染し、加齢や免疫能低下などにより再活性化します。再活性化した水痘・帯状疱疹ウイルスにより帯状疱疹を発症させます。
- 合併症の帯状疱疹後神経痛は、長期(数ケ月~)にわたり痛みが続く場合もあります。
特徴
原因となる病原体 | 水痘・帯状疱疹ウイルス |
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かかりやすい年齢 | 50歳以上で発症頻度が高まり、70歳以上でさらに高くなる。 |
合併症 | 帯状疱疹後神経痛 |
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
Mumps
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスの感染を原因として発症する感染症です。思春期以降になって初めてムンプスウイルスに感染すると睾丸炎や卵巣炎の合併頻度が高くなります。
(主な症状・経過)
- ・2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て発症し、片側あるいは両側性の唾液腺(耳下腺が最も多い)の広範囲の腫れ、疼痛、発熱が主症状です。
特徴
原因となる病原体 | ムンプスウイルス |
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感染経路 | 飛沫感染、接触感染 |
感染力 | かなり強い |
合併症 | 無菌性髄膜炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎 |
B型肝炎
Hepatitis B
B型肝炎はB型肝炎ウイルスの感染によって引き起こされる感染症です。現在の日本で、患者の年齢を見ると14歳以下の小児、又は70歳以上の高年齢層の報告数は少なく、B型肝炎対策は母子感染予防処置の徹底と水平感染(人や物から周囲に広がる感染)、特に性感染対策の強化が重要であると言われています。
(主な症状・経過)
- ・急性B型肝炎は比較的緩やかに発病します。微熱程度の発熱、食欲不振、全身倦怠感、悪心、嘔吐、右季肋部痛、上腹部膨満感、黄疸などの症状がみられます。
- ・感染者が1歳未満の場合90%、1~4歳の場合は20~50%、それ以上の年齢では、1%以下でキャリア(持続感染)に移行します。そのうち10~15%が慢性肝炎に移行し、さらにそれらの10~15%が肝硬変、肝がんに進行するとされています。
特徴
原因となる病原体 | HBV(DNA型肝炎ウイルス) |
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感染経路 | 母子感染、水平感染(性交渉、消毒不足の器具を使ったピアスや入れ墨などによる血液や体液を介しての感染) |
肺炎球菌感染症
Pneumococcal infection
肺炎球菌は、主要な呼吸器病原性菌の一つです。肺炎球菌は乳幼児の鼻咽頭に40~60%と高い割合で存在しています。親子以外でも感染は周囲に広がるので(水平伝播)、免疫力が低下する高齢者は注意が必要です。
(主な症状・経過)
- ・成人に肺炎、中耳炎、副鼻腔炎などの非侵襲性感染症を引き起こします。
- ・ときに髄膜炎や菌血症を伴う肺炎などの侵襲性肺炎球菌感染症を引き起こします。
特徴
原因となる病原体 | 肺炎球菌 |
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感染経路 | 飛沫感染 |
感染経路 | 5歳未満の乳幼児と65歳以上の高齢者 冬~春に多い傾向 |
感染力 | 強い |
合併症 | 肺炎、髄膜炎、菌血症 |